開催報告 BBA・モバイル学会共催 利活用部会第13回研究会 「AI・ドローン利活用の最新動向」
ブロードバンド推進協議会利活用部会では3月8日(金)、東京・台場の産業技術総合研究所 臨海副都心センターにて開催されるモバイル学会シンポジウム「モバイル’19」の中で、共催による特別講演セッションを企画し、利活用部会 第13回研究会「AI・ドローン利活用の最新動向」として開催いたしました。
まずAIに関しては、慶應義塾大学理工学部管理工学科教授/先導研「人工知能・ビッグデータ研究会春センター」長である山口高平氏より、「AIの最新事情と社会への影響」と題してご講演いただきました。現在、第3次AIブームを迎えていると言われていますが、AIを細分化せず大括りにしたことで混乱しているケースも見受けられます。本講演では、AIをデータ駆動型AIと知識駆動型AIに大別し、前者では、ビッグデータを利用した深層学習、後者では、様々な知識データを統合し各種推論技術を適用して問題解決をはかるAIインテグレーションが核になっていることを解説いただきました。またさらに細分し、AIをゲーム型、視覚動作型、予測型、問題解決型、対話型の5種類に分類し、各種AIの特色と最新動向とその性能限界についても説明いただき、さらに、データ駆動と知識駆動を統合した統合型AIを適用したAIロボットとして、ロボット喫茶店と教師ロボって連携授業を紹介し、最終的に、近未来の一つの姿として、人とAIが協働する社会の可能性について議論いたしました。
続いて、ドローンの利活用における最新の動向について、ドローン・ジャパン株式会社取締役会長CEOの春原久徳氏にご登壇いただき、「ドローンがもたらすフィールド領域でのデジタルトランスフォーメーション」と題してご講演いただきました。ドローンは現在、建設・土木、点検、農業、防災などのフィールド分野を中心にドローンでの活用が拡がっています。その中でドローンにおける情報収集に合わせ、今まで遅れていたフィールド分野でのデジタル情報化─デジタルトランスフォーメーションが欧米を中心に動き始めています。この講演では、フィールド分野でのデジタルトランスフォーメーションの概要をお話いただくと共に、海外の先進事例、その実現のためのドローンプログラミングをご紹介いただきました。
そしてドローンのテクノロジーを応用しつつ、今後短中距離を自動で飛行して、安全かつ安価に人や物を移動させられる機体やサービスが実現すれば、例えば、都市部での移動にかかる時間の短縮、離島や山間部での移動の利便性の向上、災害時の救急搬送や物資輸送の迅速化など、新しいサービスの展開や各地での課題の解決につながることが期待されています。こうした近未来に向け、昨年、経済産業省および国土交通省と民間企業とで「空の移動革命に向けた官民協議会」が発足しロードマップの取りまとめを行っているところです。近未来の空を移動する姿はどのようなものなのか、それに向けた企業や地域の動きについて、BBA利活用部会長/青森公立大学 准教授の木暮祐一氏にご紹介いただきました。
開催日: 2019年3月8日(金) 13:50-
会場: 産業技術総合研究所 臨海副都心センター別館11階
共催: 一般社団法人ブロードバンド推進協議会、特定非営利活動法人モバイル学会
<プログラム>
13:50 特別講演(1) 「AIの最新事情と社会への影響」
慶應義塾大学理工学部管理工学科 教授 山口 高平 氏
15:00 特別講演(2) 「ドローンがもたらすフィールド領域でのデジタルトランスフォーメーション」
ドローン・ジャパン株式会社 取締役会長 CEO 春原 久徳 氏
15:50 特別講演(3) 「ドローン関連技術の先にある空の移動⾰命に向けた動向」
BBA利活用部会 部会長/青森公立大学経営経済学部 准教授 木暮 祐一 氏