開催レポート

開催報告 OMC2018

OMC2018 開催報告
日時:2018年2月28日(水)13:00-18:00 場所:TEPIAホール

去る2月28日(水)、ブロードバンド推進協議会はTEPIAホールでOMC2018を開催しました。

xRにおけるイノベーションとビジネス活用にむけて
多くの企業でICTの活用による生産性向上や新事業の創出が模索されています。一方で、最先端のインタフェース技術であるVR(Virtual Reality:仮想現実)やAR(Augmented Reality:拡張現実)は人びとの仕事や生活スタイルを変える技術革新として、エンターテインメントのみならずソーシャルコミュニケーションやビジネス領域への応用にも期待が寄せられています。近年は実用的なヘッドマウントディスプレイが続々発売され、いよいよ普及期に入りました。
VRやARはMR(Mixed Reality:複合現実)へと進化して、これを既存の事業に応用する業務活用のソリューションも登場してきています。xR(VR、AR、MRの総称)はエンターテインメントの分野で活用が進んでいますが、ビジネス領域でこそ活用できるものです。
今回の「OMC2018」はxRのビジネス領域での活用とソリューションに焦点を当てました。(株)角川アスキー総合研究所 取締役主席研究員 遠藤諭氏からxRの市場、取り巻くテクノロジー、ユーザー、社会との関係性について全体像を解説いただくのをはじめ、医療、建設業、製造業での業界特化型のxR活用の最新事例を取り上げ、この先進的なビジネスモデルとイノベーションを明らかにしました。


キーノート「ネットデジタル全体の動向からみたVR/MRの活用と進化」
 株式会社角川アスキー総合研究所 取締役主席研究員 遠藤諭 氏

2021年に市場規模1080億ドル(Digi-Capital)と予測されるVR/ARの世界。しかし、デジタルトレンドは単独で起こるのではありません。VRとエリアラーニングでMRとなるようにほかの技術やユーザー/社会の要求との関係の視点で、ネットデジタル全体を俯瞰してお話いただきました。

建設業xRセッション「建設現場におけるMRデバイス「HoloLens」活用の課題と将来性」  株式会社ホロラボ 代表取締役CEO 中村薫 氏  ソフトバンク コマース&サービス株式会社 AR・VR・MRソリューション担当 遠藤文昭 氏

建設業界でAR/VR/MRの活用を進めていくにあたり、活用の課題とメリットはどのようなものがあるか。3Dデータ活用を支援するソリューションのひとつとして「AR CAD Cloud」のケースを実機デモも交えてご紹介いただきました。

医療xRセッション「コミュニケーションの未来 医療VRの活用事例とビジネスの可能性」
 HoloEyes株式会社 取締役 兼CSO 新城健一 氏


VR/MRが広がりつつある中、医療分野に特化したベンチャーとして、 様々な学会や各種メディアで広く取り上げられているHoloEyes株式会社から、実際の医療現場での活用場面と、医療領域でのビジネスの形についてご紹介いただきました。

■製造業xRセッション「製造業の業務スタイルを変えるトータルソリューション「AceReal」」
 サン電子株式会社 AceReal事業部 営業部営業課 大木順平 氏


AceReal Oneは、「製造現場で使用できること」をコンセプトとし、防塵・防滴でヘルメットに装着できるARスマートグラスです。AceReal Oneを利用することで、製造現場における作業効率向上を目指しています。本講演でその取り組みをご紹介いただきました。

エンタープライズxRセッション「XRの活用価値とエンタープライズ領域での拡張の可能性」
 グリー株式会社 開発本部 XR事業開発部 部長 原田考多 氏


個人が利用できるパーソナルコンピュータの登場で、人とコンピュータの距離は縮まり、スマートフォンの登場でそのインターフェースは直感的でより生活に密着したものに移り変わっています。XRは、そのインターフェースを平面ディスプレイの限界から解き放ち、3D空間上で表現できるテクノロジーです。その変化や特性を踏まえ、どのようなビジネスで、どのような活用方法に適合性が高いかについて、グリー株式会社のエンタープライズビジネスの取組みと共にご紹介いただきました。

パネルディスカッション「VR/MRへの進化でコンピューターはカンブリア大爆発をはじめるか」

パネリスト:
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 主任研究員/株式会社ミライセンス 取締役CTO 中村則雄 氏
HoloEyes株式会社 取締役 兼CSO 新城健一 氏
株式会社リンクトブレイン 取締役CSO/BBAイノベーション部会 部会長 清水弘一 氏
モデレーター:
株式会社角川アスキー総合研究所 取締役主席研究員 遠藤諭 氏

IoT、AI、センシング・・・新たなテクノロジーにより大爆発するxR。VRやARはまるでカンブリア紀のようにとりまく技術と連鎖しながら進化しています。本パネルディスカッションで、xRをとりまく先端技術の第一人者が意見を交わして、この同時多発的なテクノロジーの連鎖が起こすイノベーションを明らかにしました。